第7回災害医療セミナーを開催しました
- 2019.12.3 |
- 開催場所
- 熊本大学病院山崎記念館1階研修ホール
- 開催日時
- 令和元年11月28日(木)
11月28日、第7回災害医療セミナーを開催しました。今回は、熊本地震により全病院避難を余儀なくされた熊本市民病院院長髙田明先生から、「熊本地震における熊本市民病院の対応」についてご講演をいただきました。
熊本市民病院は、3棟の病棟のうち、南館が耐震基準を満たしていなかったため、現在地での建て替えが検討されていましたが、その最中、熊本地震が発生したとのことです。4月14日の前震後は、260人と、市内では最も多くの患者を受け入れましたが、4月16日の本震で建物の損傷、ライフラインの停止、配管の漏れ等、更には、繰り返し発生する余震(1日で1200回を超える)等により、16日の早朝6時頃、入院患者全員の転院・退院を決定しました。そして、14時頃には、入院患者310人の転院・退院が完了。新生児センター入院患者に関しては、新生児医療連絡会防災ネットワークを活用し、転院先を決定したが、先天性心疾患患者の多くが県外搬送となったのは、熊本県内で専門施設が市民病院だけだったからとのことでした。
本震後は、避難所へ、医療チームや24時間体制の看護師の派遣、阿蘇医療センター等他施設への職員派遣、また、熊本市保健医療救護調整本部での統括業務など、地域全体の復旧・復興に向けて病院挙げて尽力されました。
最後に課題として、代替え機能がない領域の対応策や広域に及ぶ地域の組織と医療機関との連携、情報共有の問題等を上げられました。さらに、新しい病院は、免震構造やライフラインの多重化など「災害に強い病院」となり、職員も県内外への派遣研修や医療救護活動など貴重な経験を積んでおり、今後一層大きな力として地域に貢献していきたいと述べられました。
災害医療セミナーとしては、今年最後のセミナーです。次回は、来年1月を予定しています。内容が決まり次第お知らせいたしますので、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
災害医療教育研究センター 坂本弘一
(今後の予定)
〇12月7日(土)~8日(日) 第1回災害医療従事者研修会
於)熊大病院臨床医学教育研究センター1階奥窪記念ホール
講師:厚生労働省DMAT事務局、日本DMATインストラクター他
定員40名
*詳細は、当センターHPをご覧ください